はじまりの炎
”もう誰も信じたくない“人なんてそう。平気で嘘をついて裏切る。
こっちがどれだけ想っていたとしても踏み潰されてしまうの。動物たちの方がまだ素直だ。小鳥達を見ながら優しい声で歌を聞かせてくれる。二度と関わりたくないから閉ざした。
その世界はまるで“明けない朝”。
「なんでも屋です!!」
しかし、明るい声が夜の闇を一つ切り開く。太陽のような燃える炎が心を灯す。
「どうしましたか?」
「え...」
「泣いているのが見えたので。ほっとけないですよ」
“さあ、こんなところから出ましょう“。
夜が明ける。まるで連れ出してくれた貴方は本当に希望の光みたい。
「ねえ、どうしてそんなに優しいの」
「困ってる人がいたら助けるのが普通ですよ」
「皆、自分の事ばかりなのに?」
「そうですね。でも、いいんです。助けられたらそれでいい。貴方がそうですからね。笑顔になれましたか?」
つられて笑ってしまう。まだ希望があるなら、信じていいなら。
「さあ、俺と一緒に冒険に行きましょう!」